Baba and Noda consultation October 30

CDP leader Yoshihiko Noda and Nippon Ishin no Kai leader Nobuyuki Baba (left) meet at the Diet on October 30. (©Sankei by Ataru Haruna).

~~

 

立憲民主党の野田佳彦代表は、日本維新の会の馬場伸幸代表と会談し、特別国会の首相指名選挙で自身に投票するよう要請した。

 

議席を大幅に伸ばした野党第一党として、他の野党に協力を呼び掛けること自体は否定しない。

 

だが、基本的な政策を見ると、立民は政権担当能力を欠いている。衆院選公約などで掲げた政策では日本の独立と繁栄、国民の命・暮らしを守れまい。衆院選で勢いづいているとはいえ、野田氏が本気で政権を担うつもりなら、反省と基本政策の現実路線への転換が必要だ。

 

立憲民主党の野田佳彦代表=10月30日午後、国会内(春名中撮影)

 

立民は衆院選で外交・安全保障政策について「日米同盟が基軸」とした一方で、集団的自衛権の限定行使は憲法違反という立場を変えなかった。反撃能力の保有にも消極的だ。これでは抑止力が損なわれ、日米同盟は旧民主党政権時のような危機に陥るだろう。

 

エネルギー政策では「原発の新増設は認めない」と宣言し、党綱領では「原発ゼロ」の実現をうたう。脱炭素化や電力の安定供給に逆行している。

 

国の根幹をなす憲法改正にも後ろ向きだ。自民党の自衛隊明記案に反対し、国会議員任期延長を含む緊急事態条項の創設も「必要ない」としている。

 

安定的な皇位継承策では、野田氏は「女性宮家」の非皇族男子の夫と子の皇族化にこだわっている。これは日本の皇統を断絶させる「女系天皇」につながる恐ろしい議論だ。

 

立憲民主党の野田佳彦代表(右)と日本維新の会の馬場伸幸代表=9月24日(春名中撮影)

 

馬場氏は野田氏の要請を持ち帰り、「大義や具体的な政治改革案がなければ、くみすることはできない。やはり政治とカネの問題だ」と語った。

 

政治とカネの問題を主軸に交渉するつもりなら、首相指名選挙を履き違えることになる。政権の舵(かじ)取り役を決める選挙なのだから、皇室や外交安保、エネルギーなどの基本政策を重視すべきだ。普通の国会共闘とは次元が違う。馬場氏は27日、立民について「外交安保やエネルギー、憲法など基本的な政策で党内がまとまっていない」と批判していたはずだ。

 

野田氏は共産党の田村智子委員長にも首相指名選挙での協力を求めた。党綱領に日米安全保障条約の廃棄を記すなど、基本政策が立民以上に非現実的な共産にまで要請したことは間違っている。

 

 

2024年10月31日付産経新聞【主張】を転載しています

 

この記事の英文記事を読む

 

 

コメントを残す